兵庫県神戸市の分譲マンション「ハイツオークラ東灘」では、2015年5月に給水配管へNMRパイプテクター(以下、パイプテクター)を導入。設置後は1年・3年・6年・9年のタイミングで定期的な内視鏡調査を実施してきました。
最新の2024年4月の調査では、9年経過した現在も配管内部に赤錆の進行は見られず、良好な状態を維持していることが確認されました。
修繕委員長は「物件によって多少の差はあると思うが、錆の進行は確認されていない。導入して本当に良かった」とコメント。メーカーである日本システム企画の担当者も「今後30年以上にわたり配管内部は保護され、追加のメンテナンスは不要」と報告し、理事会でも共有されました。
委員長にとっても、これまで進めてきた取り組みの成果が明確に証明された瞬間となりました。
導入のきっかけは地元のサンテレビの番組
導入の発端は、地元・サンテレビで放送された経済情報番組「賢者の選択」でした。番組内で日本システム企画・熊野活行社長が登場し、パイプテクターの技術を紹介。
「酸化で発生する赤錆を電子の力で黒錆へ変換し、配管を腐食から守る」という仕組みに共感した委員長が、放送の1か月後に理事会へ導入を提案しました。
当時、同マンションでは2009年に実施したオゾン洗浄から時間が経ち、再洗浄の検討時期を迎えていました。1世帯あたり5〜6万円のコストが見込まれるうえ、配管更新となればさらに多額の負担が発生する見通しでした。
パイプテクターは外付け設置で施工が簡単なことから、居住者への影響が少ない点も評価されました。
理事長による企業調査や、建設業出身の元理事長の後押しもあり、総会で導入を正式決定。テレビ放送からおよそ半年後の2015年5月、2台のパイプテクターが設置されました。
「想定していた更新費用の4分の1以下で済み、住民への負担がほとんどなかった」と委員長は振り返ります。
内視鏡調査で配管閉塞率が顕著に改善
設置前に実施されたA号室の配管診断では、赤錆による閉塞率が54.8%に達しており、早急な対応が求められる状態でした。
そこで、高架水槽の2次側および揚水ポンプの2次側にそれぞれ1台ずつ、計2台のパイプテクターを設置。設置後の調査で閉塞の改善傾向が確認され、9年後の今回の測定では閉塞率が47.5%まで低下、13.3ポイントの改善が見られました。
この変化は、赤錆が黒錆へ還元される際に体積が減少し、自然と閉塞部分が解消されていったことを示しています。
長期にわたり安定した結果を維持していることからも、パイプテクターの防錆効果が持続的であることが裏付けられました。

