配管設備劣化による問題
建物の築年数の経過によって、給水等の配管設備も劣化していきます。蛇口から赤く変色した水が出た場合は、配管内で赤錆腐食が起こっています。さらに赤錆腐食が進むと配管内閉塞や水漏れの問題につながります。配管内赤錆防止装置NMRパイプテクター®は、このような赤錆劣化問題の解決に効果的で、現在世界中で導入されています。その中で今回は、英国のウィッティントン病院での事例を紹介します。
英国の歴史あるウィッティントン病院
ウィッティントン病院は、ロンドン北部のハイゲイト・ヒルに所在し、地域では最大規模の医療機関のひとつで、1860年代に建設された歴史ある医療機関です。当時近隣にあった3つの病院を統合して、現在までに地域の中核病院として機能しています。その中には1745年に設立された天然痘病棟もあり、その名の通り、天然痘患者の収容や種痘接種を目的に作られ、1855年に発生した天然痘の大流行時には1,000人を超える患者を受け入れた病院です。
童話をもとにした猫が出迎えるウィッティントン病院
英国では誰もが知っているという「ウィッティントンの猫」と呼ばれる童話があり、ウィッティントン病院の近くには、その童話に登場する猫の石像が設置されています。ウィッティントン病院のあるハイゲイト・ヒルは、童話中で主人公のディック・ウィッティントン少年が立ち寄った場所である事が由来です。また、ウィッティントン病院のロゴマークにも猫が使用されています。
給湯配管の赤錆劣化による赤水問題
ウィッティントン病院は、建物の老朽化が進んでいたこともあり、給湯配管は前回に配管更新されてから、およそ30~40年程度経過していました。簡易手術室や管理室、無菌室の配管では赤錆腐食の為、毎朝赤水が発生するようになりました。赤錆腐食が進行し、配管内閉塞や水漏れなどの問題につながる前に、ウィッティントン病院はNMRパイプテクター®の導入を決定しました。
NMRパイプテクター®-NMRPT-の起こす防錆効果
NMRパイプテクター®は赤錆を黒錆に還元することで、赤錆で覆われた配管内の表面に黒錆の皮膜を形成し、鉄を赤錆から防ぎます。黒錆は、南部鉄瓶や中華鍋などでも赤錆から防ぐ為に表面のコーティングで使用されています。
世界中で評価されてきたNMRパイプテクター®-NMRPT-
NMRパイプテクター®は発売から25年の2020年時点で、日本国内外合わせ4,200棟以上の導入実績数があり、その高い防錆効果を評価されています。配管の種類にも柔軟に対応し、マンションを中心に行政施設や公共施設、商業施設など多種多様な建物で導入が可能です。
短期間で防錆効果を表すNMRパイプテクター®-NMRPT-
NMRパイプテクター®の導入後、1か月以内で防錆効果を確認できた事例も多数あります。実際に今回紹介しているウィッティントン病院でも、すぐに防錆効果が立証されています。赤錆が水に溶けだす事で起こる赤水の場合は、数日~数週間で水の着色が薄くなっていき、防錆効果を実感いただけます。
実際のウィッティントン病院での防錆効果
イギリスにおける水道法に基づく鉄分値の水質基準値は1リットル当たり0.2㎎ですが、NMRパイプテクター®の設置前のウィッティントン病院では、夜間滞留しているお湯の鉄分値は1リットル当たり7.3㎎でした。水質基準値の36倍以上と大幅に鉄分値を超えている調査結果で、赤錆腐食が大変進んでいる事が分かります。NMPパイプテクターの設置19日後には鉄分値は0.4㎎にまで減少し、設置前の数値と比較すると、95%弱減少した形です。さらに設置29日後の結果では、鉄分値が1リットル当たり0.08㎎とさらに減少し、イギリスの水質基準値を大きく下回るレベルにまで改善した事が立証されました。この結果によって、新規の赤錆発生が完全に防止され、給湯配管が長期延命された事が分かります。
配管更新とNMRパイプテクター®-NMRPT-とのコスト比較
配管更新工事を、国内の一般的なマンションで実施した場合、1戸当たり60~100万円程度が相場となり、建物全体を配管更新すると相当な費用が必要となります。NMRパイプテクター®導入の場合の費用は、配管更新工事の1/5~1/10程度となり、実に80~90%のコスト削減が期待できます。また、NMRパイプテクター®は長期にわたって赤錆を防げるために、継続して設置されている限り、 ウィッティントン病院の事例のように建物寿命まで配管を交換することなく使用可能となります。
NMRパイプテクター®-NMRPT-は断水の必要ない設置工事です
配管更新工事の場合の大きな問題は、工事の実施の為に必要な断水です。NMRパイプテクター®は、配管の外側に装着する装置の為に、断水する必要はありません。施設の性質上、断水が不可能な建物では、よりNMRパイプテクター®導入によるメリットは高くなります。
今回の、ウィッティントン病院の他にも多くのNMRパイプテクター®導入事例を紹介していますので是非ご参考いただき、今後の配管劣化対策についてご検討ください。
コラム元
#21 ウィッティントン病院への導入事例|コラム|製品情報|日本システム企画株式会社